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カテゴリー「知識の整理」の記事

2017年5月31日 (水)

肥料はなぜ必要なのか?

これを考え始めると、ネガティブな話になったり、現代農業の研究者や専門家と真正面からぶつかってしまったりする可能性が高く、あまり話題にしたくないのです。

しかし、5月中旬から自社農産物として定期的な野菜の出荷を始めました。たんにHalu農法の技術をアピールするだけなら、Halu農法のプラス面だけ表現していれば良かったのですが、いまはそうもいきません。わが社の作物を買ってくださるお客さまの信頼にこたえる意味でも、「なぜいまHalu農法なのか」、現代農業との違いを明3_000001確にする必要が出てきたと思っています。

そこで、まずは正面突破ということで、肥料がなぜ必要とされるのか、この疑問点についてまとめてみます。

いきなり結論から書くと、現代農業における肥料論「肥料が必要な理由」は、申し訳ないけれど拙く感じます。この記事を読んでくださっている方も、「肥料が必要な理由」で検索をかけてみてください。いろいろな記事がでてきます。

「自然の草木は肥料がなくても育つのに、畑はなぜ肥料が必要なのか?」

「自然の草地や森は、枯れ葉や動物の糞などが分解されて養分になるが、畑は収穫して養分を持ち出すから、養分が足りなくなる」

ざっとこんな感じの説明が多いですね。

しかし、この考え方に疑問点はありませんか?

自分が生やした葉が枯れて、それが養分になって草木は本当に大きくなれるんでしょうか? つまり、自分が作った栄養素で自分がどんどん大きくなる?

動物の糞というけれど、そもそも植物を食べる昆虫や動物の糞は、もとは植物が生やした葉っぱですから、ほかから運ばれてきた養分ではありません。

それって、例えていうと、次のようなことですよね。

電気で照明を点灯させ、その光でソーラーパネルを使って発電します。発電した電気でさらに照明を点灯する。すると、照明は永久に点灯したまま? 

実際には、そんなことはできません。

しかし、現代農業は、そのような危うい理論で構築されているのです。

さらに恐いことがあります。一般にはほとんど知られていない事実でしょう。それどころか、農業者のほとんども知らずに過ごしていることがあります。それは、窒素肥料の怖さです。

「農業に欠かせない野菜の栄養素は、窒素である」

ちょっと園芸を経験した人なら、最初にテキストで学ぶことですね。

では、農林水産省の公式サイトで、窒素肥料が「健康に悪影響を及ぼす可能性のある化学物質」として警告されていることをご存知でしょうか。上記のページに「硝酸性窒素」という項目がありますので、ぜひ確認してみてください。

大量に窒素肥料を使ったことによる、乳児の死亡例が過去にあります。畑で窒素肥料を使った結果、地下水に沁み込んで、その井戸水を飲んだ乳児が死亡した例が数十件起きたそうです。日本ではなくアメリカでの話ですが、日本でも「硝酸性窒素(硝酸態窒素ともいう)」の毒性は、環境保全にかかわる人ならだれでも知っていることです。

それが、こと農業分野になると、「大切な栄養素」として無防備に市販されているのが日本の現状です。

本当に窒素肥料は必要なんでしょうか?

窒素肥料が必要だと言う人は、その根拠が確かなものなんでしょうか?

本当は、ただの思い込みなのでは?

その疑問があればこそ、Halu農法の探求が始まったといえます。逆に言うと、窒素肥料に疑問を抱くことができなければ、Halu農法なんてちゃんちゃらおかしい絵空事に聞こえるかもしれません。

そして、いま一度突っ込んでおきたいのは、乳児の死亡例が発生したほどの危険な化学物質である窒素肥料。これを使って育てる作物を、本当に子供に食べさせておいて良いのでしょうか?

これは生産者だけの問題ではなく、消費者全員が考えておかなければいけない問題だと、私は思います。肥料を使わずに野菜を育て、出荷している生産者としての投げかけです。

4_000001*直売所で掲げているポップの画像を追加しました。まだまだ出荷量は少数ですが、大変好評をいただいています。

2015年6月 1日 (月)

「無農薬かどうか」は本質ではない!?

いま、農業・園芸の世界では、「無農薬の野菜が安全だ」という考え方が当たり前になりつつあります。家庭菜園をしている方の多くも、「私は農薬を使っていません」という方が増えているのではないかと思います。あるいは、農薬を使いたくないということで有機栽培の新規就農を目指している方もいらっしゃるでしょう。

一方、このブログで発信していることは、一般的な「無農薬」に対する考え方とは次元が異なっていることを、そろそろ明確に主張したいと思っています。このブログは、「無肥料栽培」について書いている場であって、「無農薬栽培」について書いている場ではありません。私は、野菜づくりに農薬を使いません。しかし、それは安全のためではありません。たんに「使う必要がないから」という理由で使わないのであって、「無農薬野菜」を意識しているわけではないのです。

今回の記事は、とても難しいニュアンスをお伝えしようと試みています。このことは、何度か記事で表現しようとしてきたのですが、感覚的なことなので、言葉だけでは伝わりにくいかもしれません。

実際、最近の私の記事では「無農薬」という言葉をなるべく使わないようにしています。この言葉を使うことによって、かえって誤解が解けなくなると思うからです。というのも、以下に質問を書きますので、試しに答えを考えてみてください。

「無農薬野菜は安全ですか?」
「農薬を使った野菜は危険ですか?」

この質問に対して、あなたはどのように答えますか? 実は、無農薬野菜を食べてアナフィラキシーショックで倒れる人がいます。→「無農薬野菜は安全とは言えません」。農薬を使った野菜を食べてピンピンしている人がいます(これはほとんどの人がそうですね)。→「農薬を使った野菜が危険とは言えません」。つまり、農薬が安全か危険かという議論は、そもそも感情的な要素が多く、科学的に白黒つけることができません。ですから、農薬についての議論は、‟本質から離れたピント外れの話である”と私は考えています(もちろん、私自身は以前、無農薬野菜が安全だと信じていました。いまは違います)。そこで提案です。「農薬が安全か危険か」という議論から、そろそろ卒業しませんか?

ここでの話は、「完全な無肥料」で美味しく、大きく、たくさん実る野菜づくりが可能であるか。また可能なら「どうすれば良いのか」に関心のある方を対象に発信しているお話です。(ちなみに、農薬など使わないのは、Haluの技術では当たり前の話なので、あえて言葉にするのがだんだん空しく感じてきています。そもそも肥料も農薬も必要ないのですから・・・)

今回の記事は、あえて「自分の思いを強調」して文章をつづっています。というのも、いま取り組んでいる畑の土壌改良のスピードが予想以上に早いからです。前回の記事でダイコンを収穫した写真をアップしましたが、もちろんそれは‟一部の現象”に過ぎません。

また、少し前に、スイカ、カボチャがウリハムシやワタアブラムシに食べられている話もアップしてありますが、その後の‟劇的な回復ぶり”を目の当たりにしています。かつて私自身が半信半疑で模索していた無肥料栽培について、いまは「絶対に間違いない」という確信に変化しています。その気持ちの変化に伴って、文章表現も‟より確かなもの”に変えていきたいと思っています。

肥料も何も使わず、ただ畑の形を整えるだけで野菜は育つ。(ここでいう無肥料という言葉は、堆肥はおろか、雑草も何も使いません。何も土に入れず、ただ種を播くだけです。もちろん、野菜のそばに‟マメ科植物を栽培する”というような変則的なワザも一切ありません)

いますぐに信じられなくても、今後、私の畑にたくさんの人が来ることを願っています。とくに、いまなら面白い光景に出会えます。「葦、スギナ」などといっしょにスイカやカボチャ、そしてジャガイモ、トウモロコシ、トマト、ニンジン、ダイコンが立派に育っているのですから。こんな面白い光景を見逃す手はありません。

おそらく、この光景は来年には見られないはずです。それほど土壌改良が急速に進んでいるため、葦もスギナもあっという間に消えてしまうでしょう。私自身も驚いているくらいです。同時に、「この水はけの悪い畑で、このスピードで改良できるなら、日本中のあらゆる場所で短期間で野菜ができるようになる」と、強い確信が身体中にわいてくるのです。

そのための具体的な技術がほぼ確立できたと思っています。

2014年9月22日 (月)

仰天の事実~これを知ったら後戻りできない!?

本日、茨城大学農学部の成澤才彦(なりさわ・かずひこ)教授にお会いしてきました。成澤先生の著書「エンドファイトの働き方と使い方~作物を守る共生微生物」(農文協刊)は、新しい農法を探るうえで大変参考になりました。

このほど特許出願したものの、いまの日本では「完全な無肥料栽培」の話は、どこか遠い星の話のように受け取られている気がします。私の畑で起きていることは事実なのですが、「たまたまでしょ?」と言われることもありますし、「どうせ隠れて何か(肥料のようなもの)を入れてるんじゃないか?」という顔をされることもあります。

植物と微生物の共生については、やはりその道の専門家にお話をうかがいたいと思い、成澤先生にお時間を作っていただきました。そこで、なんとも衝撃的な話をうかがうことができました。

成澤先生が講演のときに使うグラフがあり、その場で見せていただきました。それは、森林の土壌に含まれる窒素分についての調査結果です。

Photoイギリスの科学誌「New Phytologist」に2012年に掲載された論文からの引用です。題名は「The below-ground perspective of forest plants: soil provides mainly organic nitrogen for plants and mycorrhizal fungi」。英語が苦手なので、訳が間違っているかもしれませんが、たぶん「森林植物の足元の世界」といった感じでしょうか。副題は「土壌は、植物や菌根菌に対して、主に有機体窒素を供給している!」という考察です。

図は、窒素分の割合を示す棒グラフです。緑はアミノ酸、青はアンモニア、茶色は硝酸です。そして、衝撃はここからです。右と左のグラフは、割合が大きく異なっています。これが示す意味とは・・・

まず、右側のグラフについて説明します。これは、森林の土壌に含まれる窒素化合物の割合を示しています。つまり、森林の土壌成分を分析したとき、アンモニアが最も多く、次いでアミノ酸、そしてアミノ酸とほぼ同じぐらいの硝酸が検出されたというものです。アンモニアが8割近くあります。これまでの農学では、この分析結果から、「植物はアンモニアや硝酸を養分としている」と解釈したのです。

では、左側のグラフは?

これは、実際に森林の植物が根から吸収した窒素化合物を分析した結果です。なんと、アミノ酸が8割で、アンモニア、硝酸ともに1割前後となっています。自然界の植物は、アンモニアも硝酸も、ほとんど吸っていない!! これが事実なのです。

いままでの、「植物は無機栄養しか吸収できない。だから無機栄養であるアンモニアや硝酸が養分なのだ。だからアンモニアや硝酸を肥料として与えるのだ」という常識に真っ向からぶつかる新事実ではありませんか。

もちろん、このことは、科学技術が進歩した今だからこそ発見できたことだと思います。そして、成澤教授によると、この雑誌に掲載された内容は、すでに世界的には周知のことになっているそうです。ということは、今でも硝酸態窒素やアンモニア態窒素が重要な肥料であると考えている人の多い日本の農業界は・・・

ちなみに、左側のグラフについて補足しますと、窒素源の8割をアミノ酸として吸収しているというのは、もちろん微生物との共生関係によって供給されているということです。

*Phytologistは、「植物を主な研究対象とする生物学者」の意味だそうです。

2014年8月 7日 (木)

現代農法の相違点(一部修正)

Photo前々回に書いた「現代農法の相違点」について修正しました。項目も1つ増やしました。前回の表を眺めていて、複数ある「自然農法」の考え方について、1つの視点でだけ表現してしまったため、現状を正しく表していないと感じました。

自然農法(自然栽培)は、じつに多くの実践者がいます。プロ農家もいれば、家庭菜園をたしなむ愛好家もいます。どう考えても「有機農法」だと思われる栽培方法なのに「自然農法」と表現する実践者もいます。

もちろん、どれかを排除するつもりはなく、なるべく偏りがないように区分しないといけません。そこで、もう少し詳しく分類してみました。

追加項目は「植物が育つ理由」です。別の表現をすると「植物が育つ仕組み」です。なかでも、自然農法については、柱となる考え方が2つあります。1つは「微生物の死骸が養分となって土壌が肥沃化すること、それと植物の力」。もう1つは「土の力と植物の力」です。同じではないかと言われそうですが、全く違います。というのも、後者は微生物の存在を考慮していないからです。

たとえば、奇跡のリンゴをつくる青森県の木村秋則さんが責任編集者となっている「木村秋則と自然栽培の世界」(日本経済新聞社)では、はっきり微生物の死骸が養分化すると書かれています。そして植物の持つ力が大きいとも。

一方、自然農法の先駆者である岡田茂吉さんの理論を基にした自然農法は、微生物の存在を考慮せず、「土の力」で通しています。もちろん、植物の力も重視しています。

上記のどちらも自然農法(自然栽培)と呼ばれています。けれども、私の畑で起きていることは、そのどちらとも違うのです。微生物の死骸が養分となるのではなく、生きた微生物が植物の養分を放出している、と考えているのです。もちろん、植物の力も大きいと思います。連作するほどに品質が良くなっていきますから。

そして、このように並べてみると、栽培方法がそれぞれ全く違ってくることに気づきます。このブログでも、順を追って明らかにしていこうと考えています。



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2014年8月 4日 (月)

現代農法の相違点

Photo_3自然農法もしくは自然栽培と呼ばれている農法について、自分の畑で起きていることと異なる点が気になっています。「自然農法ノート」をまとめはしましたが、読んでいただいた方から、「これは、従来の自然農法ではない」という感想をたくさんいただくようになったからです。

前回、「農学」という観点から新旧の相違点をご紹介しました。今回は「農法」の観点から相違点をまとめてみます。

区別するのは、従来の肥料農法(慣行農法&有機農法)、自然農法(自然栽培)、そして現在私の畑で起きている事象を新・自然農法(仮称)としました。表は、4項目について比較したものです。このうち3項目については、前回の表と同じです。とても重要な項目だと考えています。

1. 窒素栄養の吸収形態
まず、窒素栄養の吸収形態ですが、自然農法に関する文献や、自然農法を実践している方々のサイトを拝見すると、かなり考え方に幅があって、基準はないようです。「植物が無機態窒素しか吸収できない」という知識に縛られているのかどうかは分かりません。少なくとも表のように、慣行農法であれ有機農法であれ、従来の自然農法であれ、無機態窒素を吸収することを前提にしているようです。

「有機態窒素を吸収する」と考えている場合も、例外扱いです。しかし、新・自然農法は完全に「有機態窒素の吸収」を前提にした考え方です。

2. 畑の肥沃度
これも、前項目に関連しています。「無機態窒素を吸収する」という考え方に共通しているのは、「肥沃な畑が野菜を大きく育てる」という考え方です。肥料を使わないという自然農法(自然栽培)でさえ、「時間をかけて森の土をつくる」ことを目指しています。つまり、あくまで土を肥沃にすることが目標になっているため、その途中でできる野菜は、どれも小さくなってしまうのです。

しかし、新・自然農法は、「100%有機態窒素を吸収する」という考え方に基づいています。植物がブドウ糖を根から放出し、微生物はその分だけアミノ酸やビタミン、ミネラル分を適量お返しします。そこに余分な栄養分はありません。つまり、畑が肥沃である必要はまったくないのです。

3. 微生物の働き
「畑を肥沃にする」ということは、微生物が有機物を分解したり、直接化学肥料を投入したりすることです。また肥料を入れない自然農法(自然栽培)では、微生物の死骸が植物の養分になるという考えが基本なので、それも「畑の肥沃化」と同じことです(微生物のエサを入れることによって微生物を増やす手法もこれにあたります)。

新・自然農法は、植物の成長に必要な物質を微生物が放出すると考えています。それらの微生物を「創造型微生物群」と呼びますが、微生物はアミノ酸、ビタミンなどさまざまな物質を放出していて、それが直接植物に吸収されるなら、微生物の死骸は関係ありません。

4. 根の働き
これも上記3項目に大きく関係しています。植物は光合成でつくったブドウ糖(糖類)を根から放出し、それをもらった微生物がアミノ酸やビタミン、ホルモンなどを放出して植物に供給しています。つまり、完全な「共生関係」です。

ところが、従来の農法には(自然農法や自然栽培でさえ)、根から放出するブドウ糖について考慮されていません。植物と微生物の共生という観点では、例えばダイズの根粒菌のように、植物と直接接触もしくは侵入している微生物だけを「共生」と呼び、根から離れた微生物との共生関係は、なぜか注目されていません。

根圏という言葉があります。根から1㎜以内を根圏と呼び、この中で植物と微生物が養分交換を行っていることは、専門書では明確に記述されている基礎中の基礎でもあります。それなのに、現実の栽培技術にこの知識が組み込まれていないことに、私はとても大きな疑問を抱いています。

以前にも書いたことですが、「農家の数だけ農法がある」といわれる現代農業は、この言葉に潜む矛盾に向き合う必要があると思います。「農家の数だけ」ということは、つまり農法に再現性がない証拠です。本来、農法とはだれが実践しても同じ結果を得られる方法のことを言うのであって、人によってやり方を変えなければ実現しないものは、もはや「農法」ではないと思うのです。



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2014年7月30日 (水)

農学情報の整理

Photo_3無肥料栽培の仕組みについてまとめた「自然農法ノート」は、お陰様で多くの方に読んでいただいています。まもなく、無料配布は終了し、修正を加えようかと考えています。

今のレポートは、かなり農学の知識がないと読み込むのが難しいと思うのと、本来はだれが読んでも理解しやすい文章がベストだと思うからです。頭のなかは、どんどん整理されていますので、このブログでも少しずつ文章にしていきます。

まず、従来の農学の知識と、最新研究による農学情報の区別をすることが大切だと思います。少なくとも、無肥料栽培を目指すのであれば、従来の知識に頼っていると、間違いなく到達不可能です。

表は、従来の知識と最新研究の知識を比較したものです。4項目あります。この中で「根の働き」は最新研究ではありませんが、これを知らないとスタート台にも立てないので、表に入れました。

無肥料栽培の仕組みは、すべて最新研究の成果を前提にしています。3年前は、左側の「従来の知識」しか知らなかったため、本当に悲惨な経過をたどりました。まずはここからだと思います。



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2014年7月25日 (金)

最新の農学の知識によって覚醒しました

自然農法の仮説と検証をつづっているこのブログですが、今年2月、整理整頓して「自然農法ノート」というレポートにすべてをまとめました。

もちろん、完成されたものではありません。今年の夏はスイカとメロンが量産できるかどうか、とても大事な実験が途中ですし、まだまだレポートは進化させなければいけません。

ところで、世の中には「肥料も農薬も使わないで野菜や果物を作ってみたい」と思う人が増えているでしょうか。実際のところ私にはわかりません。というのも、従来の農学の考え方と、最新の研究による考え方には、天と地ほど異なる場合があります。

しかし、最新の情報を知らない人が多く、たとえ園芸に興味があっても、従来のガイドブックなどを読む限り、無肥料栽培が可能であることなど想像だにできない場合が多いと推測されます。

やはり、最新の研究成果は、きちんと世の中に周知されることが大切だと考えています。

つい最近ですが、とても興味深い情報を掲載しているサイトを見つけました。日本土壌協会という団体の公式サイトで、そのなかに有機栽培技術の手引 〔果樹・茶 編〕という研究報告書があります。その第2部には、最新研究を土台にした知識がとてもコンパクトに、そしてわかりやすくまとめられています。

農学の世界も、ようやく変化が起きて始めている、といったところでしょうか。

広く知られている農学の知識には、現段階では、矛盾するようなものが多く、私自身はこの数年間、とても混乱しながら畑に向き合ってきました。そして、最新の研究成果に触れることによって、無肥料栽培への扉が開かれました。いまはすっかり頭が整理されています。

ご紹介したサイトの報告書は、これはとても質の良い情報だと思います。逆に、無肥料栽培を論じるには、ここに書かれていることを理解しておくことが必要だと思います。

(ただし、この報告書は有機農業を推進することが目的でまとめられたものであって、無肥料栽培そのものには言及していませんし、研究もされていませんのでご注意ください。あくまで知識を整理するという意味で。)



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2014年6月26日 (木)

自然農法の定義について

9農業は、とても魅力のある仕事だと思います。ところが、現実の農家は高齢化と後継者不足に悩まされています。一方。新規就農を希望する人は多いのに、農業に関するいろいろな情報を集めるほどに混乱します。私は、「そろそろ、だれにでも理解でき、実践できる農業があっても良いのではないか」と考えています。

親戚に農家はいない。農学の知識もない。お金もない。けれども農業がしたい。

私自身がそんな人間でした。

畑を始めてから最大の壁になったのは、「農家の数だけ農法がある」という現状でした。なぜこんな事態が起きるのでしょうか。最近になって、ようやく理由がわかりました。それは「再現性」が極端に低いからです。

STAP細胞の一連の報道でにわかに使われるようになった「再現性」こそ、とても重要な問題です。少なくとも「農法」と名乗るからには、だれにでも、どこでも再現できる技術でなければいけません。それなのに、「農業は、100人の農家がいると、100の農法がある」という表現をあちらこちらで見かけます。

それはつまり、そもそも農業界に「農法」なるものが存在せず、実践者が個人の努力と能力で農業をしているというだけの話なのです。

「化学肥料と農薬を使えば、だれでも作物はできる。これは再現性が高いということではないか」と反論されそうですが、それは誤りだと思います。化学肥料を使って土壌が壊れ、病害虫を防ぐために、より強力な農薬の開発、あるいは病害虫に強い遺伝子組み換え技術の研究があってこその技術です。同じ農薬を使い続けることができず、また連作もできません。私自身は、これを「農法」と呼ぶには大きな抵抗があります。

化学肥料をや農薬を使う慣行栽培はさておいて、「自然農法」という言葉について、そろそろ明確な定義があっても良いと考えています。そこで、「再現性」という観点から、試案をまとめました。とてもシンプルなものです。

自然農法の定義案
1. 毎年同じ方法で作物ができる。
2. 連作ができる。

補足
*どんな肥料を使っても良い⇒実際に肥料を使えば防除が必要になり、連作障害が出るでしょう。(私は肥料も緑肥も雑草さえも、一切使っていません。)
*耕起でも不耕起でも良い⇒農業(耕起)を目指すか、自給自足(不耕起)を目指すかという生き方の問題だと考えています。(私は大量に作付する目的で耕しています。草刈りもします。)
*上記2項目を満たすためには、必然的に無肥料栽培に向かって収束すると思われます。
以上

ざっとこんな感じです。これくらい単純に定義される技術であれば、だれでも自然農法で新規就農が可能になるでしょう。たとえば、有機肥料を使いながら「自然農法」と自称する農家もいますが、毎年同じ有機肥料を使い、連作できるなら、それを自然農法と読んで差支えないと思います。つまり、「再現性」が確保されているからです。

私は、自然農法を目指す人に対して、このメッセージを大きな声で伝えたいと思うのです。

「自然農法は、世界中のどこでも、だれにでもできる農業技術です」と。

今年、スイカとメロンが量産できたら、その段階で「農業ビジネスに結び付く自然農法の実践方法」を具体的にまとめようと考えています。

*写真は、今朝のスイカの様子です。着果9日目。昨日は、瞬間的に大量の雨が降ったため、泥が跳ねてスイカやメロンが泥だらけになっていました。病気が心配ですが、なんとか耐えてくれるよう祈っています。

 
 


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