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カテゴリー「実践」の記事

2018年10月22日 (月)

改良3年目

千葉県我孫子市の農場を2016年4月に拠点として開設し、2年半になります。この畑は、改良を始める1年前まで、地主さんが一部で慣行栽培を続けられた畑です。私としては肥料・農薬が直近まで使われた畑を改良する初めての経験をした、いわば最終テストのような期間でした。

Kimg1643昨年までは、除草剤の影響なのか、まったく野菜が育たなかったり、虫食いの被害が多くてちゃんと育たなかったり、そんな状況が続きました。けれども、この秋になって、苦戦していた小松菜が、ようやく元気に育つようになりました。

9月から10月にかけてのまだ温かい時期は、アブラナ科の小松菜は虫に食われやすい野菜です。けれども、今はとてもきれいに育っていて、とてもうれしい気持ちです。

この夏は信じられない酷暑と干ばつで、ナス、キュウリ、スイカなどの夏野菜はほぼ壊滅状態でした。そのかわり、とてもよく育ってくれた作物もありました。

Kimg1641Kimg1629意外だったのは、落花生です。千葉県の特産品でもあるためか、落花生は千葉県で無肥料でもとくに育ちやすいのかもしれません。そして、生まれて初めて食べた「茹で落花生」は格別の味でした。

このほか、小豆や、タイ産のささげ豆も良くできています。7、8月はほぼ壊滅状態だった金時豆は、8月に播いた種がぎりぎり育ってくれて、ほんの少し収穫できそうな感じです。やはり、2年半という時間をかけると、畑の生態系は豊かに整ってくるという仮説は、ある程度実証できたと感じています。

Kimg1624Kimg1644あらためて「無肥料・無農薬栽培」の経験を振り返ると、これからは肥料を使わない農業技術が間違いなく必要になると確信します。

1. 肥料を輸入に頼る農業は遠からず行き詰まる。(窒素、リン、カリウムはいずれも天然資源であるから)

2. 担い手がなく、国産の農産物がなくなる。

3. 農薬や肥料漬けの作物による健康被害(さまざまな病気)に歯止めが利かない。

こうした問題に目を向け、私たち一人ひとりが「食の自立」と「家族の健康」のために明日の農業を考える時期だと思うのです。

2018年9月28日 (金)

美しいトウモロコシの種

自然農法の研究を始めて8年目にして、初めて「ちゃんとしたトウモロコシの種」を採種することができました。

Kimg1576それにしても、なんと美しい種でしょう。

自画自賛かもしれないと思って、トウモロコシの種についていろいろ画像検索してみましたが、やはり、この種は本当に宝石のようです。

しかも、乾燥させる前に少し食べてみたところ、ほんのり甘くて、濃い味がしました。

いままでは、種苗会社のトウモロコシを使って栽培実験をしていました。いかにF1品種といえど、自家採種を続けるうちに、「先祖返りしながら固定できるかもしれない」と淡い期待をしていたからです。

ほかの野菜については、(といっても、スイカ、小松菜、大根ぐらいですが)なんとか種を採れています。しかし、トウモロコシだけは、どんなに頑張っても、採れた種から発芽しないし、発芽しても「変な草が生えてきた?」ぐらいの生育状況で、「これはダメだな」と思っていました。

トウモロコシは、よほど遺伝子をいじられているのですね。それを身をもって体験しました。昨年の時点で、「日本の在来種が手に入らない限り、もうトウモロコシはやめよう」と決めていました。

ところが今年、知り合いからタイのトウモロコシの種を1袋(小袋)いただいたので、試しに栽培してみました。

まず驚いたのは、袋から出した種は、コーンの粒の形のまま乾燥していたことです。もちろん、薬剤は使われていません。

「えっ? トウモロコシって、こんな種だったっけ?」

私が知っている種と言えば、水分が抜けてしわくちゃになり、チウラムという赤い薬剤をまぶした種しか見たことがありません。なので、「トウモロコシって、乾燥するとシワシワになるのだ」と思っていました。

(ポップコーン種は粒が丸いですが、あれは皮の固い品種で、スウィートコーンとは違います)

Kimg1563さて、初夏のころ、種まきして順調に発芽し、すくすく成長してくれました。しかし、例年より1か月も早い梅雨明け。その後、私の畑では、2か月間にたった1日しか雨が降りませんでした。「夏野菜は全滅かな」と思っていたのですが、なんとトウモロコシは、写真の通り小さなものでしたが、いくつか実をつけてくれたのです。

(ほかに、小豆、スイカ、キュウリ、唐辛子は種を採種するだけはできました。メロン、ピーマン、ナス、パプリカはダメでした)

そして、乾燥したトウモロコシの種ときたら、なんと美しいのでしょうか。量は大きめのご飯茶碗一杯ぐらいなので、部屋で陰干ししているのですが、毎日手に取ってはにやけています。これだけあれば、来年はかなりの面積で作付けできます。

なにより、今年の干ばつに負けなかった種ですから、来年はとても楽しみです。もちろん、大雨になっても、そもそも雨に強いHalu農法なので、どんな気象条件でも、何らかの成果をもたらしてくれるに違いありません。

タイは、遺伝子組み換えを禁止している国です。やはり、種の力はとても大きいと実感しています。そして、この秋は小麦も初めて作付けしてみます。

いよいよ、穀類にも力を入れる時期にきました。

2018年8月27日 (月)

あまりの異常気象

無肥料・無農薬の自然農法が発展すれば、この世界はとても住みやすくなるだろう。子供や孫も安心して、健康と長寿を得られるだろう。そんな理想を描いてきました。特許も取得できて、「さあこれから」と自分に気合を入れ直して頑張ってきましたが、最近は心が折れそうになります。

とくに今年の気象については、いままで頑張って学んできたことが、すべて水泡に帰するのではないかと心配になるほど過酷です。

今年の立秋は8月7日でした。昨年は、秋冬用の野菜の種まきを始めましたが、今年はほとんど作業ができていません。酷暑で作業ができないことと、雨がまったく降らないため、耕耘もままならないからです。

先日、二つの台風が列島を襲いました。本当に久しぶりに雨が降ると待っていましたが、私の畑にはほとんど降らず、(というより、まったく降らなかったといってもいいぐらい)、畑は完全にカラカラに乾燥しています。こうなると、下手に耕して乾燥状態を加速させたら、生態系がひどく壊れてしまうかもしれません。なので、怖くて耕せないのです。

大量の雨が降り続くか、まったく降らないか。どちらも地獄です。

もちろん、被害が深刻な地域は、日本全体でいえば一部なのかもしれませんが、市場には野菜がかなり不足している状態が続いていると聞きました。もし、この秋に天候に恵まれない場合、今年は一年を通して農作物ができないという、文字通り異常事態になるのだと聞きました。

水が引ける水田とか、暑さに強い果実類は、むしろよく育っているという話も聞きますので、今年の酷暑がすべて悪いとは思いません。しかし、農業の形態は、大きく変化せざるをえないかもしれません。大雨か、大干ばつか。それぞれに適応した農作物の栽培技術が必要になるでしょう。

この環境が自然農法にとって優位なのか、不利なのか。まだまだ研究が必要だと感じています。

それにしても、この暑さはシンドイです。

2018年8月20日 (月)

都市型貸農園が好調です

21Haluの大型プランターを活用した「都市型貸農園」が好調です。千葉県松戸市のオーガニックスーパー「クランデール新松戸店」の敷地内に今年7月にオープンしたばかりですが、デモンストレーションで植えていた大豆、バジル、落花生がとても順調に育っていて、市街地のコンクリートの環境のなかで、ひときわ異彩を放っています。

今年の異常な酷暑にもかかわらず、また、水やりもあまりしていない状態で、写真の通り、信じられないぐらい元気に育っているのです。

お蔭さまで、利用希望の問い合わせもいただきまして、いよいよ本格稼働というところです。

ちなみに、このプランターは、本社農場とまったく同じ規格で、高さ40cm、幅120cmの畝の構造をしています。水はけや通気性が良く、しかも保水性もあるという、非常に微妙な形なのですが、今回の貸農園用に設置したプランターの様子を見る限りでは、理論がそのまま実証されているように感じます。

コンクリートの上に設置していることも、特徴のひとつです。

ぜひ、一度お立ち寄りください。

2018年7月 3日 (火)

スイカ一番果

Kimg1418昨日、スイカの雌花が咲いていたので、受粉したかどうか一日様子を見ましたが、今朝、大きさが2倍になっていたので、うまく受粉してくれたようです。今年の一番果です。順調にいけば、今月中に収穫できると思います。

Halu農法で夏野菜を育てるのは、結構難しいと思うようになりました。大きな問題は、やはり水です。この数年の天候の不安定さによって、雨や気温が全く読めません。天気予報はあてにならないので、私自身の直感を磨く以外に、対処法はないのかもしれません。

今年はスイカの苗づくりに本格的に挑戦したものの、全体からみれば「失敗」だと思います。苗は100株以定植しましたが、タイミングが遅すぎました。

一応、大半がちゃんと活着してくれたようですが、観測史上もっとも早い梅雨明けになってしまい、こんなカラカラ陽気で、これからどこまで育ってくれるのか。同様に、キュウリとメロンも定植が遅れてしまい、しかもほとんどが萎びていました。2週間ほどたって、ようやく落ち着いてきた感じです。これからうまく育ってくれるよう、しっかり見守っていきます。

ただ、少し判断が早すぎるかもしれませんが、夏野菜は、苗でなく直播で工夫するほうが良い気がしています。もちろん、自然農法での話です。

2018年6月22日 (金)

今年の四億年スイカ

Kimg1360今年は、千葉県我孫子市に拠点を移して3年目となり、土壌改良も順調に進んでいます。また、主力作物として自家採種を続けてきたスイカは、今年は苗づくりに力を入れてきました。その結果は──正直なところ、なかなか微妙なことになっています。

写真は、苗を定植して、比較的順調に育っているスイカの様子です。主枝を摘心して、側枝が伸び始めています。

ただ、この写真のスイカは本当に順調なのですが、全体としてはいまひとつです。畑のほかの作業に追われて、苗の定植が遅れてしまったこと。さらに、定植方法が未熟なため、しっかり活着してくれなかったことが原因だと思われます。

苗づくりには、改良途中の畑の土を使いましたが、苗そのものはよく育ってくれたと思います。しかし、いざ畝に定植したら、萎びてしまう苗が多く、難しさを感じています。

写真のスイカも、定植してしばらく、萎びていました。さらに、活着して成長を再スタートさせるまでにも、かなり時間を要しました。

これでは、種を直播したのとほとんど変わりません。(実際、直播したスイカは、とても元気に育っています)

Halu農法での夏野菜、とくにウリ科の苗づくりは、まだまだ研究が必要なようです。ウリ科は、このほかキュウリやメロンも苗を育てましたが、やはり定植でつまづいています。

来年は、もう一歩踏み込んで研究を続けるつもりです。

2018年6月21日 (木)

ハトとネキリムシ~害なのか、益なのか?

Kimg1346Kimg1343今年は、小豆、大豆、黒豆、金時豆、それに千葉特産の落花生をそこそこ多めに作付けしています。そのなかで、大豆がハトとネキリムシの食害に遭っています。

ハトは、発芽したばかりの大豆の双葉、つまりまだ豆の形が残っているところをそのままちぎって食べてしまいます。ネキリムシは、本葉が出てきたところで、茎の真ん中あたりをきれいにカットしてしまいます。

もちろん、ほとんど被害のない畝もありますが、逆に、発芽したばかりで丸坊主にされた畝もありました。これは結構、へこむものですね。

ところが──

しばらくすると、写真のように、少しずつ「復活」してくるのです。とくに、左の写真は発芽直後にハトに食べられた苗ですが、本葉が出てきています。右の写真は、ネキリムシに茎の途中を食いちぎられた苗ですが、双葉の付け根からそれぞれ脇芽が出てきて、かなり元気に再生しています。

種を播いてから1か月以上も経っていますが、再生するなら、それはそれで「あり」だと思うようになりました。というのも、千葉県北西部では、大豆の播種は6月末から7月初めに行われるのが通常なので、いま本葉が再生してくるのであれば、「6月末に播いた種」だと思えば、食害がなかったことになるからです。

また、ネキリムシに食べられた苗は、2か所から脇芽が出ていて、これは収量が2倍になる可能性もあります。となると、ハトやネキリムシの食害は、一概に害とも言えません。あらためて自然界の不思議な力を感じています。

2018年3月20日 (火)

18時間で“強制発芽”~スイカで成功!

Kimg1111ついに成功しました。スイカの強制発芽実験。写真は少しわかりにくいかもしれませんが、種の先端がぱくりと割れて、芽がほんの少し伸びている状態です。

昨年はチャレンジしたものの、そもそも土に十分な共生微生物がいなかったためか、あるいは、管理の仕方に問題があったのか、結果的にはうまくいきませんでした。

今年は、「時間をほぼ制御して強制的に、確実に発芽させる」ことを目標にして、先週から気合を入れなおして実験を始めています。

もともと歩屋は、スプラウト(発芽野菜)を生産・販売することを目的に興した会社です。ブロッコリーとか、ケールとか、そういった種を48時間で一斉に発芽させ、栽培・収穫・出荷をコントロールする技術を持っています。

いまは、コントロールとは無縁の自然農法という栽培技術に力を入れているので、“強制発芽”というのも、どうも気が引けます。ただ、そうはいっても、この自家採種のスイカは、私に似て(?)、本当にわがままといいいますか、マイペースといいますか全然目を覚ましてくれません。

たぶん、私の種の保管方法もあると思いますが、自然のまま、自然のサイクルで発芽してくるんです。(って、当たり前ですね)

しかし、趣味の世界でなら良くても、事業としてスイカを出荷するとなると、ある程度は早起きのスイカがあっても良いと思うのです。

それで、昨年もスプラウトの発芽の要領で試してみたのですが、あまりうまくはいきませんでした。どうも夏野菜、とくにウリ科は、ブロッコリーなどのアブラナ科と温度のかけ方が違うようです。

今年になっていくつかアイデアを試してみた結果、18時間きっかりでスイカの種を目覚めさせることに成功しました。種がぱくりと空いたところは、初めてみました。ちょっと感動しています。

植物たちは一度目覚めたからには、元には戻れません。あとは根を伸ばし、茎や葉を伸ばして生きていくしかないのです。

もちろん、それだけ私たち人間が、きちんとフォローしないといけません。

このスイカの種は、何とか健康な苗になるよう見守っていくつもりです。

2017年8月11日 (金)

大豆が好調です

Photo今年は、大豆が順調に育っています。

これまでも試験的に栽培してきました。毎年種まきするのですが、まともにできたことがありませんでした。というのは、実が太る時期に雨が降らないので、途中までは育つのですが、肝心の収穫まで届かなかったのです。

今年は灌水しています。千葉県北西部は極端に雨が少ないのですが、水が確保できればHalu農法はとても有効であることがわかりました。

また、播種の時期もずらしたり、条間や株間もほぼ最適な数値が分かってきました。

花もたくさん咲き始めています。
今回、どれだけ収穫できるか楽しみです。

大豆生産については、政府も大豆増産を国策にしているわけですが、目標は300㎏/10aだそうです。腕の良い生産者は500㎏/10aの収量を実現しているとか。すごいですね。

実験の面積は2aなので、収穫目標は60㎏ということになります。
うまくいくようなら、大豆も主力作物に位置付けて、来年から本格栽培に入ろうと思います。

味噌、醤油、豆腐、納豆──。大豆が大量生産できたら、食卓が一気に変わりますね。good

2017年7月17日 (月)

四億年野菜のフレーク

Photoこのほど、小松菜と人参の乾燥フレーク試作品が届きました。生のまま乾燥したり、茹でたものを乾燥したり。パウダーにする一歩手前の状態を確認するためです。

今年から小松菜の通年栽培にチャレンジしています。一部は「サラダ小松菜」として近隣の直売所などに出荷を始め、大変ご好評をいただいています。残念ながら、毎日出荷し続ける態勢ができていないため、出荷品目がラディッシュになったり、ロメインレタスになったりしていますが、なんとか出荷のリズムをつかもうと頑張っています。

さて、毎日出荷できないのは、なんといっても空梅雨が一番の原因です。九州をはじめ、大雨被害に見舞われている地域とは真逆で、千葉県は本当にカラカラです。さらに、夏場の虫害が結構あります。キスジノミハムシ、カブラハバチは以前から覚悟はしていましたが、ナガメ(カメムシ)の被害はなかなか強烈です。

Halu農法は、生態系が整えば虫害は激減するという考え方に立っているわけですが、季節度外視で通年栽培を試みるのは、ひょっとすると人間の傲慢かもしれません。もし防除が必要となったら、来年は防虫ネットを使うことも考えているところです。

一方で、多少の虫食いがあっても、品質には自信ありの野菜たち。そこで、離乳食やアレルギーをお持ちの方に、長期保存できる形で野菜を取ってもらえるよう、パウダ―化の実験をしています。今回は、その第1号です。

早速味わってみると、小松菜も人参も、まるで別物のような味。生の小松菜は、特有の匂いがありますが、乾燥パウダーはとても良い香りに変身しました。人参も甘くてほのかに人参の香りが口の中に広がります。

これは、パウダーにしなくても、フレークのままふりかけとして使えそうですし、クッキーやパンの生地に混ぜ込んでも行けそうな感じです。また、さらに細かく砕いたパウダーなら、最近ブームになっているというスムージーにも、とても合っていると思います。

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