マルチの効果~トウモロコシの場合
昨年から固定種と思われるトウモロコシ栽培を始めている。日本のホームセンターなどで手に入るトウモロコシはすべてF1品種だが、それだけだったら、何度も自家採種しているうちに、一定の形質に固定してくることが多い。ところが、トウモロコシだけは何度繰り返しても採種した種は次作でちゃんと育ってくれなかった。
日本で販売されているトウモロコシの種は、かなり遺伝子がいじられている証拠ではないかと思っている。=F1(一代交配種)と遺伝子組み換え種子とはまったく異なるものなので、ご注意を=
昨年、知り合いからタイ産のトウモロコシの種をいただき、本社農場で試験的に栽培したとき、小さな実ではあったが収穫できた。黄色と紫の混合種で、味は甘いというほどではないが、濃い風味の美味しいトウモロコシだった。
タイは遺伝子組み換えを禁じているので、種は固定種である可能性が高い(F1かもしれないが)。そこで、その種を取っておいて、今年使ってみた。マルチを敷いて直播、マルチを敷いて苗の植え付け、露地のまま直播、何通りか試している。露地の直播は、播いた時期が悪かったのか、発芽は不ぞろいだった。一方、マルチのほうはどれもきちんと発芽してくれた。マルチを使ったところは、やはり育ちが格段に良い。
自然農法の研究を始めて、採種したトウモロコシの種を播いて育ったのは、9年目にして初めてのことだ。少なからず感動している。
ところで、いまの時期はあちこちの畑でトウモロコシの植わっている光景が見られる。どれも濃い緑色できれいにそった大きさで並んでいる。それに比べて、これらの写真のトウモロコシは薄い若葉色が特徴だ。また、株によって大きさもかなり不ぞろい。自然農法(無肥料農法)は、どれも葉の色が薄い。それに生育がばらばらになりがちというのも特徴のひとつに挙げられている。
一見、不都合のようにも思われるが、順番に収穫していけるので、少量ずつ出荷する規模の農家であれば、問題はないレベルだろう。それに、畑がもっと進化してくれば、生育もそろってくるのではないかと考えている。それも楽しみのひとつだ。
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