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2019年4月24日 (水)

農業人口から日本の将来を観る

農林水産省の農業人口統計を見ると、日本の農業人口が歯止めなく減っていることがわかる。

平成22年:260万人 平成27年:207万人 平成28年:192万人 平成29年:181万人 平成30年:175万人

直近の平成30年で見ると、175万人のうち専業農業者は145万人。平均年齢は66.6歳。

一方、新規就農者は毎年5~6万人だから、それ以上の勢いで離農者が増えていることになる。新規就農しても生活の目途が立たずに諦める人が多く、現役の高齢化も変わらない。あと10年もすれば、日本の農業者はいなくなるだろう。

では、果たしてこれは問題なのか?問題ではないのか?

農林水産省のサイトを読むと、これを問題視しているのかどうか、正直なところよくわからない。

相変わらず、日本政府は農業を「経済活動」としてとらえている。農業人口が減っている原因についても、「長時間労働」「仕事の内容がきつい」「儲からない」などの理由で農業が敬遠されていると考えているらしい。そこで、あくまで経済活性化の一環で農業振興を考えている。つまり、いかに楽をして儲かるかという視点で政策を実施しているのだ。例えばIT化とか、農地の集約による効率化とか。

これで、農業人口が減っても、生産量は確保できるという。

それで、税金をたくさん投入するのだが──

たとえば「自動走行の機械を使えば効率よく食糧を生産できる」という言葉があったとする。これって、広大な田んぼや小麦畑ならわかるが、ほかの野菜類はそうはいかない。猫の額ほどの田んぼや畑に大型機械が入れるのか? いや、「そもそも論」としてもっと大きな問題を抱えている。

田植え機や種まき機、収穫機を使うのはいいが、ある時期一斉に田植えが始まり、収穫時期も重なる。だから、機械はそれぞれの生産者が個別に所有しなければいけない。誰がそのお金を出すのか?

最近、いろいろな生産者を訪問して、率直な考えを聞いているのだが、農業の現場では、いまの政策に賛同している人はほとんどいない。ということは、あと10年という短い期間で、日本の農業が壊滅することは必定だろう。おそらく、この流れは変えられない。あとは、個人個人が家庭菜園を楽しむだけのスタイルになる。

そうなったとき、はて、自分はどうしているだろうか。

10年後、まだ身体が動く生産者は、個別にお店や個人の販路を持っていて、不特定多数に作物を出荷することはあり得ない。私も、自分の家族が食べる分は差し引いて、知り合いに販売する形をとっているだろうと思う。あとは、山奥に引っ越して、自給自足のコミュニティをつくるのか。

そして、大多数の消費者は、スーパーやネットで海外からの輸入食糧を買って、日々の生活を送ることになるだろう。

ひとつ気がかりなのは、いまわれわれが食べている作物の安全性だ。輸入作物にしても、国産作物にしても、安全性という視点で考えると決して楽観できない。若い世代のがんや白血病、糖尿病が増えている。農業人口の減少、作物の質の劣化、どちらも深刻な問題であると私は思うののだが。

安全で質の高い食糧の生産力は、国の力そのものだと思う。しかし、そういう考え方そのものが、いまの日本では流行らない。となれば、息をひそめて、共感できる人だけでつながっていくしかないのかもしれない。

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