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2018年12月

2018年12月 9日 (日)

まだ日本は死んでいない‼ 鈴木忠夫さんという自然農法家

Photo_2千葉県香取市に、米や麦、大豆、野菜全般、ようするに塩以外のほぼすべての食糧を自前でつくっている鈴木忠夫さん(60)という凄腕の農業者を尋ねた。(写真中央、左はオーガニックスーパー「クランデール」の川田裕司社長)

鈴木さんは、代々農家ではあるけれど、祖父は桶職人、父は建具職人だったそうだ。鈴木さんも少しは建具の仕事を覚えたが、20歳のときに農業一本に仕事を絞ったという。農薬は使ったことがない。「初めは化学肥料を使ったけれど、23歳の時にすっぱり使うのを止めました」。
 
「なぜ?」と問うと、鈴木さんは一瞬考え込んで、「いやあ、(使っちゃ)ダメだと思って」と言葉少な。直感的に安全で美味しい米や野菜を作ろうと決心したようだ。優しい穏やかな口調で、言葉少なく、一瞬一瞬を大切に生きている人だと感じた。

化学肥料は止め、堆肥を使った。30歳で堆肥を止めて米ぬかだけを使うようになった。40歳のとき、「肥料は要らないことに気づいた」ため、無肥料栽培になった。それから20年、米も麦も大豆も野菜も、すべて無肥料栽培を続けている。

畑に茂っている春菊の葉を千切っていただくと、私はその美味しさにショックを受けた。自分の畑の野菜も美味しいと思うけれど、鈴木さんの野菜の美味しさは次元が違うと感じた。野菜の味は、生産者の人柄が出てくると言われている。それは本当のことだと確信する瞬間だった。

鈴木さんと同居している母君は、黒大豆で自家製味噌を作り続けている。ご近所では鈴木さんの農業が異端扱いだそうだが、味噌の美味しさは大評判だという。そして今年、「初めて醤油を作ってるんですよ」と鈴木さんは淡々と語ってくれる。米も麦も自家製なので、それが可能なのだ。

異常気象をものともせず、機械にも頼らない。米については、苗づくり、田植え、刈り取り、天日乾燥まで、自分の身体ひとつで農作業をこなす。完全な無肥料・無農薬栽培であらゆる作物を育てる本物のプロフェッショナルに初めて出会った。

世界に天変地異が起きても、決してへこたれず生き残る知恵と技術が日本に残っている。まだ、日本は死んでいない。

2018年12月 5日 (水)

やはり栄養価は高かった‼~ハル(Halu)農法

自然農法の研究を始めて8年になる。そしていよいよ、その野菜の栄養分析を行う時期が来た。つい先日、手元に速報が届いた。それによると、一般に出回っている野菜の平均値を上回る数値が検出され、完全な無肥料の野菜のほうが、肥料を使った野菜より優位であることが証明された。データ一覧

今回、ハル(Halu)農法を応援してくださっている千葉県松戸市のオーガニックスーパー「クランデール」の川田裕司社長のご厚意により、栄養分析の機会をいただいた。検査を依頼したのは都内の株式会社メディカル青果物研究所。2万件の調査データを持っており、「野菜の価値は、抗酸化力、免疫力、解毒力で決まる」という視点から、各種野菜の分析を行っている。

これまで一般に行われてきたミネラルやアミノ酸などの成分分析と違い、病気にならない、あるいは病気を克服するための栄養価という観点からの検査で、以下の4項目について調べていただいた。

1. Brix(糖度)
2. 抗酸化力
3. ビタミンC含量
4. 硝酸イオン含量(有毒性、えぐみの原因)

対象品目は落花生、大根、小松菜、パクチーの4種類。これは、自家採種をしていて、将来にわたって無肥料栽培を続けていけることがわかっている品種を選んだ。そして、気になる調査結果だが、例えば落花生の場合、以下のような数値になった。

1. Brix(糖度)  1.3倍
2. 抗酸化力    3.7倍
3. ビタミンC含量 1.4倍
4. 硝酸イオン含量 検出限界値以下

これは、平均値に比べてかなり高い数値だそうだ。たとえば、抗酸化力は、植物ストレス耐性を調べるもので、各種野菜の平均値が50~70となっているが、ハル農法の落花生の場合178という数値になっている。

そして他の3種類の野菜についても、すべての項目で平均値を上回っていたのが、今回の調査の大きな収穫だった。

比較対象の2万件のデータベースには、慣行栽培だけでなく有機栽培の野菜も含まれたものなので、少なくともハル農法の野菜は、肥料を使う野菜に栄養価で負けてない栄養価を持つことが証明されたことになる。

これらの野菜を栽培している千葉県我孫子市の本社農場は、改良を始めて2年半を経過したばかりなので、これから野菜の栄養価はさらに上がっていくだろう。とても楽しみだ。

2018年12月 1日 (土)

ベネズエラの惨劇~餓死する乳幼児たち。その原因は?

地球の裏側では、想像を絶する恐ろしいことが起きている。日本のメディアで、ごくたまに見かけるのだが、南米ベネズエラの経済破綻、政治破綻による惨劇は、我々の想像以上に厳しいらしい。

石油の埋蔵量では世界一と言われ、もっとも裕福な国のはずだったベネズエラ。すでに総人口3,000万人のうち、230万人以上が周辺国に脱出し、残された国民は、2,500%のハイパーインフレによって紙幣が紙屑になり、食糧を輸入することができず、飢えているという。

1歳児が餓死した写真もネット上にアップされているが、この事態は事実らしい。

なぜこのような事態になったのか? いまの政治の無力さを非難する記事がたくさんあるけれども、どうも、その原因について納得できる分析や評価が見つからない。しかし、理由は明白だ。

もともとベネズエラは、食糧生産にまったく力を入れていなかったことがわかっている。石油を売って、食糧を海外から輸入すればいいと考えていたからだ。ところが、2014年ごろから原油価格の低迷によって外貨不足になり、食糧を輸入するお金が一時的になくなってしまったという。

石油を増産するタイミングを逸したことで、食糧輸入が止まった。

つまり、国内に食べ物がない状態になってしまった。

一瞬でもそうなると、食糧の価格は一気に跳ね上がる。すると、それに引きずられて急速なインフレが止まらなくなる。2,500%のインフレということは、大根1本100円だったものが、単純に2,500円になる。家賃10万円が250万円になる。結局、割を食うのは貧困層で、そのなかでも弱い存在である子供たちが飢え死にするという、いまの日本では想像できない状況に追い込まれているのだ。

今年8月、ベネズエラ政府は5桁のデノミ政策を実行した。つまり、10万円を1円に切り替えた。となると、貯金1億円が1000円、100万円が10円になる計算だ。これによって経済はさらに危機的状況になっているという。どんな恐ろしいことになっているのか、もはや私にはイメージできない。

もとをただせば、食糧の輸入ができなくったことが引き金だったはず。食糧自給率の低さが、一気に経済破綻を招いたのに違いないのだが、なぜかメディアや専門家たちはそのことを言わない。

石油の産出国であるベネズエラでさえその事態に陥ったとなると、石油もない、食糧自給率も実質的にゼロ%である日本は、この先本当に大丈夫なのか?妙に不安な気持ちに襲われるこの頃だ。

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