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2018年9月25日 (火)

「あなたは子供に毒を食べさせていませんか?」

こんなフレーズの講習会が開かれるようになっているそうです。

Photoもちろん農薬の問題です。

この講習会に参加するのは、小さな子供をもつ若い母親が多いそうです。そして、講習会が終わると、「オーガニックの農作物が高いとかなんとか言っていられない」と急に意識が変わるのだそうです。

つまり、農薬に対しての情報に、いままで接したことがなかったのです。知ってしまったからには、「もう農薬を使った野菜や果物は、子供に食べさせられない」と思うようになるのです。

先月、米・カリフォルニア州で、除草剤の発がん性を認める衝撃的な裁判結果のニュースが流れました。このニュースは、文字通り「世界中を駆け巡った」ようですが、日本ではなぜか“停滞”しています。(この様子は、もう一つのブログ「Real Food」でまとめましたので、ぜひご覧ください。)

日本人の農薬への無頓着さは、いまにして思えば異常です。こう書いている私も、「自然農法の研究者であるから、農薬には関係ない」とばかりに、真剣に向き合ってきませんでした。このことは少し後悔しています。

それに、いまの日本は、農薬の危険性を訴える情報がネット上に出てくると、それを打ち消すような情報がたちどころにアップされるという、とても悲しい国になってしまったと思います。

(あたかも、農薬や食品添加物が安全なものであるかのようにアピールする業界や御用学者のメッセージは、とても正気の沙汰とは思われません。お金のことを考える前に、人間としての矜持を持つべきでしょう。そうでなければ、これから生まれてくる子供たちに申し訳が立ちません。)

20180924昨日、千葉県成田市で20年、有機農業を続けている弓木野毅さんにお会いして、話をうかがってきました(写真中央。左はオーガニックスーパー「クランデール」の川田裕司社長)。有機農業のいま、そして未来。日本の農業の未来について。弓木野さんは、8haの畑を完全無農薬の有機農法で1人で切り盛りしている野菜づくり名人です。

いま、日本の農業は衰退の一途をたどっています。みるみる耕作放棄地が増えています。20年前には勢いのあった有機農業の生産者は、いまはすっかり影を潜めているといいます。若い世代で有機農業にあこがれる人は多いものの、生活が成り立たず、自殺者も出ているそうです。

その原因は何なのでしょうか。

突き詰めれば、「農薬を使った野菜や果物を消費者が求めていた」からにほかなりません。見た目がきれいで、形が整っていて、色が鮮やかな野菜や果物であれば良い。そして、味や香りはどうでも良い。なぜなら、食品添加物(調味料・香料・着色料)によって、いくらでも美味しくなるのだから──。

高度経済成長と言われた1960年代からいままで、豊かさだと思っていた物質文明は、「偽の食べ物」によって支えられていた、ということだと思います。

農業の後継者は、いまのままでは増える要素がありません。多くの農家は、農薬を使いたくて使っているわけではありません。消費者の求めるままに使い始めて数十年。もはやそれが当たり前になっているので、変えようがありません。

そして、農薬による健康被害を多く受けているのも、農家や家族自身なのです。そして、現役農家の高齢化。家族は、親の姿を見ていて、決して「農家を継ぎたい」とは思いません。となると。

現状から推測される近未来の日本。弓木野さんは言います。「食卓から国産野菜が姿を消すでしょう。そして、名前も知らない外国の野菜がスーパーに並ぶようになる。でも、そのとき気づいても、もう遅いでしょう」。

私もまったく同感です。

食をめぐって、これから起きること。それは、生産者が消費者を選別する時代になっていくことです。いま、農薬を使わない野菜や果物を栽培している生産者は、一般野菜との競争から離れていきます。生活が成り立たないからです。そして、その価値を認めてくれる消費者を探して、その消費者とだけ結び付くようになります。

そこで生活が安定するようになれば、その生産者は安全な野菜や果物を作り続けることができるでしょう。できなければ、廃業です。そのプロセスがここ数年のうちに一気に進む気配があります。

将来、子供や孫のための安全な食べ物を確保したいと思うなら、いますぐ、信頼できる有機農家を見つけ出し、いまのうちにつながっておくしか道はないでしょう。弓木野さんとお話をしていて、それが現実なのだと確信しました。

そして、いまから有機農家を目指そうという人は、文字通り決死の覚悟でこの世界に入るしかない。弓木野さんは、そう話しています。弓木野さんのお話はまだまだ奥深い話がたくさんありますので、別途まとめたいと思います。

はっきりしているのは、いま日本の食も農業も、間違いなく崖っぷちだということです。

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