間引きしない理由
前々回の記事で、「今年のスイカやカボチャは間引きも誘引もしない」と宣言しました。そのうち「間引きしない」理由について説明します。
Haluの技術は、植物と共生微生物によって支えられていることは、これまで何度もご紹介してきた通りです。つまり、野菜を育てるのに「養分(肥料)」をまったく使いません。実際には、野菜が光合成で作ったブドウ糖を根から放出し、微生物はそのブドウ糖をエネルギーにしてアミノ酸やビタミンを合成したり、土壌鉱物(砂や粘土)から必要なミネラル分を吸い上げる助けをしています。
さて、まず植物の構造ですが、図の通り、茎Aに対応する根A、茎Bに対応する根Bといった具合で、地上部の茎(あるいはツル)には、それに対応する根があって、それぞれ‟対”をなしています。そして、微生物はその根の周囲に棲んでいます。それを根圏(こんけん)といいますが、距離にして根から1mm以内の範囲です。
ということは、根っこ同士が2ミリ以上離れていれば、お互いに干渉したり、競争したりすることはありません。なので、複数の株が植えてあっても、根っこが四方に伸びていけば、それぞれの茎やツルは、それに対応する根っこの共生微生物と栄養をやり取りするので、何ら問題なく成長していけるのです。
逆に、肥料栽培の場合は、特定の範囲にある養分(肥料)を根っこが奪い合う形になるので、複数株をそのままにしておくと、すべての株が栄養不足になってしまうというわけです。なので、肥料栽培の場合は、間引きは必須です。
もちろん、Haluの場合も例外はあります。それは根菜を栽培するときです。今年は初めて春まきダイコンを栽培しましたが、私はしっかり「間引き」しました。そうしないと、ダイコンが大きくなるための物理的なスペースがなくなってしまうからです。なので、根菜は例外です。
いまも、スイカ、カボチャは複数株が一緒に成長していますが、今のところ、何ら問題があるようには見えません。今年は、このまま彼ら(野菜たち)の地力をきちんと見定めるつもりです。
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