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2014年9月

2014年9月30日 (火)

20cmと30cmでは10倍違う?~畝の高さ

21本日の畑の様子です。ミズナは順調に育っています。先週の雨で、残りの種が一斉に発芽しました。写真は、きれいな色のミズナの列が見えます。もっとも、色はきれいですが、一直線になっていないのが私の未熟さです。高畝の上面に播種機で種まきしますが、なかなかまっすぐ進めないのです。そこはご容赦を。

このほか、先週の雨で、ルッコラもきれいに発芽していたので、一安心です。

Photoさて、草刈りを終えたほうの畑で、畝を立て直しています。昨年と違い、高さが30㎝以上になるよう、丁寧に畝立てしています。

これまでは、実験的な意味もあったので、高さが20㎝前後のところがあっても、気にせずアルファルファの種を播いて様子を見ていました。すると、高さが20㎝のところと30㎝のところでは、アルファルファはもとより、明らかに生えてくる植物も違いますし、土の柔らかさも違います。わずか10㎝の差ですが、いろいろな観点から10倍は効果が違うように感じます。

畝の高さは最低でも30㎝。

これは重要なポイントだと考えています。ですので、今回は、どんなに下のほうの土が固くても、時間をかけて溝掘りし、レーキで畝をならし、また溝堀りしと、丁寧に高畝を成形しています。

あまり悠長にやっていると種まきのタイミングを逸してしまいますが、ここは焦らず、あくまで丁寧さで行くつもりです。

2014年9月26日 (金)

ミズナの本葉が出てきました

一昨日からの雨で、畑が適度に潤いました。本当に土が良い状態になっているのがわかります。

21今月17日、18日に播種したミズナは、雨が降らないのにすぐ発芽し始めました。まだ眠りこけている種が、今回の雨ですっかり目を覚ましたように発芽していました。今朝の畑の写真です。遠目に見ても、うっすら黄緑の筋が見えてきました。近づくと、本葉が出てきています。

11月の中旬から下旬にかけて、きっと元気な株に成長してくれるでしょう。これで大地震が来ても大丈夫。このミズナは、しっかりした茎と葉になるので、生でも、煮ても、塩漬けにしても美味しいのです。これだけあれば、いざというときに役立つでしょう。

PhotoPhoto_2この畑は全部で6反あって、まだ作付できたのは1.5反ぐらいです。残りのうち、ようやく3反ほど草刈りを追えました。最初に刈り取った畝では、もうアルファルファが再生しています。

このアルファルファは、水はけの悪い土壌の改良に、救世主ともいえるほど活躍してくれました。ものすごい強靭な直根を真下に長く伸ばしてくれるため、固い土を貫通して水はけを良くしてくれます。しかも、草刈で茎の根元を刈り取っても、すぐに再生してくれます(写真下段右)。

ちょど7年前、私はスプラウト(もやし)を作るために会社を興し、農業の世界に足を踏み入れました。そのときからアルファルファと付き合っています。当時は、ブロッコリーやケールなど、スプラウトづくりのために種を購入し、とても質の良いスプラウトをつくる技術を身に付けました。ところが、スプラウトという商品はなかなか市場に受け入れてもらえず、すぐに事業は中断しました。

無肥料栽培に挑戦するために会社を再開し、当時購入したアルファルファの種は、スプラウトではなく、土壌改良のために使うことになりました。

いま考えると、ここに来るために、私は初め、スプラウト事業に引き込まれたのかもしれません。そこで縁ができたアルファルファは、本当に私の救世主となってくれたのです。

Haluを実践するには、マメ科植物を繁殖させることが重要です。おそらく、マメ科であればアルファルファでなくても良いとは思います。放っておいても、野生のクローバーやカラスノエンドウなどが繁殖してくれますから。しかし、多年草で、何度も復活してくれるアルファルファには、かなわないでしょう。

さて、もう10月になってしまいます。草刈りした後は、せっせと高畝を成形し直して、ミズナ、ルッコラを中心に播種しなければいけません。あとひと踏ん張りですね。

2014年9月24日 (水)

そもそも、なぜ肥料を使うのか~Haluの世界その7

完全な無肥料栽培は、絵空事ではありません。何も私の畑だけではなく、実践現場は各地にあります。昨年10月、この道ではパイオニアともいえる自然農法成田生産組合の組合長、肥沼一郎さんにお会いしてきたとき、見事なニンジン畑を見せていただきました。

少なくとも私の畑と、肥沼さんの畑は、同じ原理で野菜ができているように感じます。その大きな共通点は、「匂いがあまりないこと」です。ただ残念なことに、成田生産組合のメンバーの方々は、土壌微生物については「よくわからない」とおっしゃっています。野菜ができる仕組みとして、「植物の力」と「土の力」を挙げています。


ところで、完全な無肥料栽培について理解し始めると、大きな疑問が湧いてきます。

「なぜ、いまの農業は肥料を使うのか?」

当然ですね。私は、この点について次のように考えています。

いまから1万年前の遺跡に原始的な農業の形跡が見られるそうですが、本格的な集約農業は約7,000年前の「文明の起こり」のころだそうです。当時の農業は、どんな感じだったのでしょうか。

完全無肥料栽培Haluは、特定の形をした畝を立てます。しかし、何もせずとも共生微生物が繁殖するような土地では、ただ種を播くだけで、美味しい作物がたくさん実ったことでしょう。

集約農業は、そんな「良い土地」で始まったのではないでしょうか。

すると、「良い土地」には人が集まってきます。都市化が始まるのです。そして人が集積すると、ある問題が発生します。排泄物の処理です。

溜まる一方の排泄物は何とかしないといけません。そこで、排泄物を再利用する技術として、「肥料」が生まれたのではないでしょうか。

人が増え、世界のあちこちに拡散するようになると、さすがに「良い土地」ばかりではありません。とくに水はけの悪い土地では、共生微生物が繁殖せず、作物が思うように育たなかったでしょう。当時は、もちろん「植物と微生物の共生」などという知識はないでしょう。

必然的に糞尿を発酵させる(時には半なまの)肥料を使わざるを得なかったのだと思うのです。

しかし、いまは素晴らしい下水道技術があります。実際、人間の糞尿は使いませんが、それでも牛や豚、鶏、馬の糞を使っています。私は、毎年春と秋、この糞の臭いがあちこちに漂うので、そのたびに気持ちが暗くなります。排泄物を土に埋め混ぜ込む行為には、どうしても馴染めないのです。

いまは、家畜糞をメタン発酵させて燃料(メタンガス)をつくる技術があるのですから、「すべてエネルギーの再生に使ったほうが良いのに」と心から思うのです。

2014年9月22日 (月)

仰天の事実~これを知ったら後戻りできない!?

本日、茨城大学農学部の成澤才彦(なりさわ・かずひこ)教授にお会いしてきました。成澤先生の著書「エンドファイトの働き方と使い方~作物を守る共生微生物」(農文協刊)は、新しい農法を探るうえで大変参考になりました。

このほど特許出願したものの、いまの日本では「完全な無肥料栽培」の話は、どこか遠い星の話のように受け取られている気がします。私の畑で起きていることは事実なのですが、「たまたまでしょ?」と言われることもありますし、「どうせ隠れて何か(肥料のようなもの)を入れてるんじゃないか?」という顔をされることもあります。

植物と微生物の共生については、やはりその道の専門家にお話をうかがいたいと思い、成澤先生にお時間を作っていただきました。そこで、なんとも衝撃的な話をうかがうことができました。

成澤先生が講演のときに使うグラフがあり、その場で見せていただきました。それは、森林の土壌に含まれる窒素分についての調査結果です。

Photoイギリスの科学誌「New Phytologist」に2012年に掲載された論文からの引用です。題名は「The below-ground perspective of forest plants: soil provides mainly organic nitrogen for plants and mycorrhizal fungi」。英語が苦手なので、訳が間違っているかもしれませんが、たぶん「森林植物の足元の世界」といった感じでしょうか。副題は「土壌は、植物や菌根菌に対して、主に有機体窒素を供給している!」という考察です。

図は、窒素分の割合を示す棒グラフです。緑はアミノ酸、青はアンモニア、茶色は硝酸です。そして、衝撃はここからです。右と左のグラフは、割合が大きく異なっています。これが示す意味とは・・・

まず、右側のグラフについて説明します。これは、森林の土壌に含まれる窒素化合物の割合を示しています。つまり、森林の土壌成分を分析したとき、アンモニアが最も多く、次いでアミノ酸、そしてアミノ酸とほぼ同じぐらいの硝酸が検出されたというものです。アンモニアが8割近くあります。これまでの農学では、この分析結果から、「植物はアンモニアや硝酸を養分としている」と解釈したのです。

では、左側のグラフは?

これは、実際に森林の植物が根から吸収した窒素化合物を分析した結果です。なんと、アミノ酸が8割で、アンモニア、硝酸ともに1割前後となっています。自然界の植物は、アンモニアも硝酸も、ほとんど吸っていない!! これが事実なのです。

いままでの、「植物は無機栄養しか吸収できない。だから無機栄養であるアンモニアや硝酸が養分なのだ。だからアンモニアや硝酸を肥料として与えるのだ」という常識に真っ向からぶつかる新事実ではありませんか。

もちろん、このことは、科学技術が進歩した今だからこそ発見できたことだと思います。そして、成澤教授によると、この雑誌に掲載された内容は、すでに世界的には周知のことになっているそうです。ということは、今でも硝酸態窒素やアンモニア態窒素が重要な肥料であると考えている人の多い日本の農業界は・・・

ちなみに、左側のグラフについて補足しますと、窒素源の8割をアミノ酸として吸収しているというのは、もちろん微生物との共生関係によって供給されているということです。

*Phytologistは、「植物を主な研究対象とする生物学者」の意味だそうです。

2014年9月21日 (日)

ミズナが発芽しました

PhotoPhoto_217、18日にミズナ、ルッコラの種を播いたところ、なんと雨も降っていないのに、ミズナが発芽し始めています。発芽を確認したのは昨日の朝ですが、1日経って、双葉がさらに大きくなっていますので、なんとか順調に育ってくれるものと考えています。

畑全体では、まだ草刈が終わっていないところもあり、大急ぎで片付けて、種を播く予定です。ミズナ、ルッコラが主体ですが、キャベツや大根など、少量試そうと思います。

2014年9月18日 (木)

共生微生物を繁殖させるには~Haluの世界その6

野菜と共生する微生物を「創造型微生物群」と呼ぶことにしています。一般に、微生物というと有機物、無機物を分解する「分解型」を指しますが、完全な無肥料栽培では、「無から有を生ずる微生物」が大いに働いていると考えられます。そこで、「創造型微生物群」と名付けました。

これらの微生物は大気中に常在していると推測されます。そして、常に地面に漂着しているに違いありません。そのことは、これまでの畑の観察から間違いないと考えています。ただ、漂着した微生物がちゃんと繁殖してくれないと、野菜はうまく育ってくれません。

Photoでは、どうすれば創造型微生物は繁殖してくれるのか。これまでの実験から、図のような高畝を成形することで、効果的に微生物が繁殖することが分かりました(a、b、cの適正値があります)。特許出願の都合上、具体的な数字はまだ公表しませんが、畝の高さである「a」については、最低でも30㎝は確保する必要があります。

かなり高い畝になります。通常の農機具では、これだけの超高畝を成形するのは難しいでしょう。

Photo_2いま、夏野菜の片づけをして、秋冬野菜としてミズナ、ルッコラを中心に作付を進めているところですが、今日の畑の様子を写真に撮ってきました。写真のように成形したところに、ミズナ、ルッコラの種を播きました。今週末に雨の予報が出ていますので、来週には一斉に発芽してくれるものと思います。

もっとも、この畑は、土壌改良が一番遅れているところです。今年の夏、試験的にスイカを作ってみたところ、小玉サイズのものがいくつか収穫できましたが、葉物野菜は初めてです。うまく育ってくれるよう願っています。

さて、細かいところまでは見えないかもしれませんが、畝の高さは30㎝以上あります。手押しの管理機を使って溝を掘りながら畝を成形します。広い面積の畑でこの畝を成形するのは、かなり骨が折れる作業になります。

ただ、家庭菜園の規模でしたら、管理機を使わず、小さな園芸用のシャベル1本でも、十分に高畝を成形できるでしょう。ようは深い溝を掘ればいいのです。

この畝を成形すれば、放っておいても3年ぐらいで野菜ができるようになると考えています。また、うまく手順を尽くせば、1年から1年半で野菜のできる畑になるでしょう。とにもかくにも、まず深い溝を掘る。そこからです。

そして深さは最低でも30㎝。かなり強烈な高畝ですが、これで創造型微生物が繁殖してくれれば、肥料など使わず野菜が立派に育ってくれるのです。

くれぐれも、「養分で育つのではなく、微生物との共生で育つ」のだということを意識しましょう。美味しい野菜はすぐそこです。

2014年9月10日 (水)

畑の匂い~Haluの世界その5

良い土の条件とは?

水はけがよく、水もちがよい。あるいは、団粒構造が発達しているなど、いくつか常識化している表現があります。なかでも「匂い」については、森や雑木林の土に共通している「放線菌の出す匂い」が強いほど「良い土である」と言われます。

ところが、Haluの土は、あまり「匂い」がありません。今日も、スイカの片づけをして、耕運機で耕しましたが、雨上がりだというのに、ほとんど土の匂いがないのです。つまり、「この畑には、放線菌があまりいない」ということになります。

放線菌がいないということは、放線菌のエサとなる窒素系の有機物(家畜糞や魚粉など)がないという証明です。もちろん、土壌微生物が増えると、微生物を食べる小動物も増えてきますから、その死骸を食べる放線菌がある程度はいるはずです。しかし、私たちの嗅覚を刺激するほど数は多くないのだと思われます。

それでもスイカは量産できます。味も良好です。

畑の匂いは、「肥料(養分)」で野菜が育っているのか、それとも「微生物との共生」で育っているのかを判別する優れた判断材料です。繰り返しますが、完全なる無肥料栽培の畑の土は、ほとんど「匂い」がありません。共生微生物には匂いがないのです。

2014年9月 9日 (火)

必要な微生物は大気中にある!?~Haluの世界その4

自然状態にある限り、植物は本質的に共生生物である──。自然状態ということは、完全な無肥料栽培の畑と同じイメージです。そして、植物は、根から養分(ブドウ糖などの糖類)を放出しています。

その目的は、土壌中の共生微生物に与えるためです。

121114しかし、農作物と共生する微生物が、そう都合よく土壌中にいるものでしょうか。実験しているあいだ、私がもっとも不安に感じていたのがそのことです。「植物が共生生物」であるとしても、共生する相手が常に目の前にいるのなら、世界の農業はすべて無肥料栽培になっているはずです。現実はそうではありません。

121122世の中には、有用微生物とうたった資材がたくさん開発・販売されています。いくつか試してみたものの、効果は感じられませんでした。どうすれば、共生微生物を畑に繁殖させることができるのか。

結論からいうと、本当に偶然の出来事でした(これも一種の必然だという方もいらっしゃいますが・・・)。
121205
堆肥も、緑肥も、微生物資材も、何も使わなかった畑でミズナが成長を始めました。写真は2012年の秋のことです。ベビーリーフ用に種を播いたところ、ミズナといっしょに雑草も発芽しました。ところが、雑草は発芽したまま成長が止まってしまい、ミズナだけが成長しているではありませんか。

121216これはもう、土壌中の微生物の働きとしか考えられません。土の中に、ミズナと共生する微生物が繁殖している。しかも、その微生物は雑草とは共生していない、ということです。さらに、私は何の資材も入れてないので、共生微生物は大気中を浮遊し、畑に漂着したものだと推測されました。

そこから仮説を立て、検証を続けてきたのです。いまは確信しています。大気中には、想像を超えるほど多くの共生微生物が存在し、常に畑に降り注いでいると。その微生物を効果的に繁殖させることができれば、肥料を使う必要はありません。もちろん、健康な野菜ができますから、農薬も不要です。

あとは、どうすれば、共生微生物がうまく繁殖してくれるかです。

2014年9月 6日 (土)

量産できなきゃ意味がない~Haluの世界その3

「植物は、根から養分(ブドウ糖)を放出している」という事実を、真正面から受け止めていただけたでしょうか。外で植物を見たとき、「ああ、みんな根っこからブドウ糖を出しているんだよなあ」と思えるようになれば、Haluの世界に入るチケットを手に入れたことになります。

ようこそ「完全無肥料」のHaluの世界へ。

さて、唐突ですが、私自身が取材者から実践者へと転身した理由は、「無肥料栽培」、つまりゼロコストで野菜ができれば、世界から飢餓をなくせると直感的に思ったからです。そんな私にとって、「自然農法」は、単一作物(モノカルチャー)を大量生産(集約農業)できる技術でなければ意味がありません。しかも、収量は慣行栽培並かそれ以上に。

「自然と一体になって、自給自足生活を楽しむ」という生き方にスポットライトが当たりがちな世界ですが、私はあくまで「量産できなきゃ意味がない」と考え、そのための技術を模索してきました。

もちろん、この世界の「ほんの一部」が見えただけだと思います。しかし、このほど特許出願した無肥料栽培の技術「Halu」は、ゼロコストで野菜を大量生産するためのものであると、初めにお断りしておきます。

新規就農希望者は好きな作物を大量生産できます。家庭菜園希望者は多品種少量生産できます。農的な生活? もちろん、それを楽しむこともできるはずです。

Photo昨年の秋に撮影したミズナの収穫風景の写真を添えます。1反あたり約3トンはあったと思います(希望者に自由に収穫してもらいました)。慣行栽培に比べて勝るとも劣らない出来具合です。畑に何も入れません。病害虫がないので農薬も不要です。めちゃくちゃ美味しいです。

肥料を使いたいという人は、化学肥料でも有機肥料でも使って良いと思います。農薬を使って「きれいな野菜をつくりたい」という人は、農薬を使って良いと思います。自分は「緑肥派」だという人は、緑肥を使って良いと思います。

だれだって、自分が良いと思う方法で野菜を作れば良いのです。

もちろん、世界にたくさんいる農業者(家庭菜園を楽しむ人も含め)の1人にすぎない私だって、自分の思う通りに野菜をつくりたい。ただそれだけの話です。

ただし、「まったく何も使わず野菜をつくりたい」と考える人には、「ぜひいっしょに取り組みましょう」と言葉をかけたいと思っています。そのために、このブログで情報発信しています。

今年、私や家族は、かれこれ2か月近く、毎日スイカを食べています。不思議と飽きないのです。先日、職場で市販のスイカを食べる機会があった妻の話です。「最初の一口食べたとき、すごい雑味を感じた。きっとあれは肥料の味なんだと思う。一切れは我慢して食べたけれど、二切れは食べられなかった」

また、長年、スイカが食べられなかった女性が、「このスイカは食べられる」とおっしゃってくださったと報告をいただきました。

先日、畑を訪れた知人のお嬢さん(1歳8か月)が、スイカの外側の皮まで、無心で食べてくれました。私は、こんな素晴らしい光景に出会えて、幸せな人生を送れていると確信しました。

2014年9月 5日 (金)

知っておきたいこと~Haluの世界その2

新規就農を目指すにしても、家庭菜園を楽しむにしても、「これだけは知っておきたい」という知識があります。それは、「植物は、根から養分を放出している」という事実です。

以下は、専門書からの引用です。

「このように根からはいろいろな形で有機物が放出されている。その放出量は無菌状態のときよりも有菌状態のときのほうが多い。有菌状態では作物が光合成で同化した炭素の12~40%が根から放出されるという。土壌の飢えた微生物にとって、これは絶好のエサであり、当然根の周囲に群がる。また、根の防御機能を破れる菌にとっては、根の内部はもっとエサのある空間である」(西尾道徳著、「土壌微生物の基礎知識」農文協刊、p88)
*文中の「光合成で同化した炭素」とはブドウ糖などの糖類を指します。

なぜ、こんな大切なことが、理科の教科書に載っていないのでしょうか。そして、ここまで書かれているのに、なぜ現代の農学は、植物と微生物の共生関係について研究テーマを広げてこなかったのでしょうか。

理由の解明など、いまとなってはどうでも良いのですが、もし理科の教科書にこのことが書いてあったら、たくさんいる子供のなかに、何人かは興味を持って無肥料栽培の研究を進めてくれたはずです。(そうすれば、私は取材するだけで良かったのです。自分で実験を始めてしまい、本当に苦労したんです)

愚痴をこぼすのはこれくらいにして、話を本題に戻します。

「自然状態にあるかぎり、植物は本質的に共生生物なのである」(小川眞著、「作物と土をつなぐ共生微生物」農文協、p76)

植物と微生物はそもそも「「ワンセット」だということです。植物の光合成の働きとは、太陽光を受け、空気(二酸化炭素)と水を合成してブドウ糖をつくることです。

「光合成って、二酸化炭素を吸って酸素を吐くことじゃないの?」

はっきり言うと、それは根本的に間違った理解です。ブドウ糖をつくる過程で、副産物として酸素が余るというだけの話です。そして、ブドウ糖はあらゆる生き物にとっての主食成分ですから、当然、すべての微生物のエサになるわけです。

2図の通り、植物は根からブドウ糖を放出し、土壌の共生微生物は、アミノ酸やビタミン、ミネラルなどをお返しします。

「人間が養分を入れたほうが、作物が早く、大きく育つのじゃないのか?」

残念ながら、人間が養分(とくに窒素栄養)を入れてしまうと、共生微生物たちは養分をつくることを止めてしまいます。最新研究では、そこまでわかってきています。つまり、完全に無肥料で野菜をつくりたいと思うなら、「ほんの少しでも肥料分を入れてはいけない」のです。

植物が養分を放出しているという事実を受け入れるには、覚悟が必要でしょう。たんに表面的な知識として頭に入れたぐらいでは、「肥料(養分)で野菜を育てる」という固定観念は崩せません。その意味で、この事実をどう受け止めるかが、Haluの世界に入るためのチケットのようなものだと思います。

完全な無肥料栽培に興味を持てない方にとっては、きっと混乱が増すばかりだと思います。これ以降、このブログを読んでくださる方には、そのことをぜひご承知おきください。

2014年9月 4日 (木)

完全なる無肥料栽培~Haluの世界その1

新・自然農法とは何か、これまでの自然農法と何が違うのか。本日から、少しずつ記事にまとめていきたいと思います。

まず、新しい農法に「Halu」(ハル)という名前を付けました。ハルは、アイヌ語で「自然からの恵みの食べ物」という意味の言葉だそうです。いままでご支援くださった方々からアイデアをいただき、この名前に決めました。

そして、これから完全な無肥料栽培の考え方や実践方法をまとめるにあたり、「Haluの世界」というテーマで記事をアップしていこうと思います。今回は第1回です。

元新聞記者である私は、自然農法(あるいは自然栽培)に魅せられて取材を始めました。しかし、その仕組みは解明されておらず、好奇心にかられて自分で実践を始めました。打つ手すべてに失敗し、どん底に突き落とされました。現場での学びも当然多かったわけですが、農学の基礎知識、最新研究の情報を調べに調べました。その結果、未知の世界が目の前に開けてきました。

パラレルワールドという言葉があります。パラレルは「平行線」の意味で、私たちが住む現実世界と並行して、登場人物が同じなのに違うストーリーが展開するもう一つの世界があるという説です。SF小説やSF映画が好きな私は、パラレルワールドにあこがれていましたが、いま、まさに自分がその世界に入ったかのような感覚にいるのです。

話を戻します。

現代農業の技術には、化学肥料や農薬を使う「慣行農法」のほかに、「有機農法」や「自然農法」があります。これらは、別々のようにも見えますが、よく観察すると、すべてが同じ流れを持っていることに気づきます。それを図にしてみました。

・慣行農法:人間が化学肥料を投入→植物の養分化→野菜の成長
・有機農法:人間が有機肥料を投入→植物の養分化→野菜の成長
・自然農法:人間が微生物のエサを投入→植物の養分供給→野菜の成長

Photo_2こうしてみると、共通点が一目瞭然です。人間が「何か」を畑に入れて、次に植物の養分ができて、最後に野菜に吸収される、という一方向の流れがあるのです。

「自然農法には、何も投入しない実践者もいる」と言われそうです。よく聞いてみると、ものすごい時間をかけて、最終的に畑が肥沃になるの待っています。時間を投入することで植物の養分を増やし、それで野菜を育てるのです。だから、「自然農法の野菜は小さい」「自然農法は量産できない」と考えられています。いずれにしろ、養分で野菜を育てるという考え方は、面白いほどすべてに共通しています。

「こいつは何が言いたいのだ? 養分がなけりゃ野菜が育たないじゃないか」

そんな声が聞こえそうですね。私もそう考えていました。だから失敗したのだと、いまだから確信を持って言うことができます。あえて書いてみます。

「野菜は養分で育てるものじゃない」

「じゃあ、何で育てるのだ?」

「太陽と空気と水です」

これがすべての答えです。

ではHaluの世界にご案内しましょう。

ここに、ある言葉があります。
「自然状態にあるかぎり、植物は本質的に共生生物なのである」

ある研究者の書物から引用しました。私はこれを読んだとき、ものすごい衝撃を受けました。「共生」の相手は、もちろん微生物です。そして発想を飛躍させ、「どんな植物にも共生する微生物がいるはずだ。それを見つければ、どんな野菜も肥料を使わず育てることができるに違いない」と仮説を立てました。

結果は、ある特定の畝を成形すると、大気中に浮遊する共生微生物が漂着、繁殖し、野菜と緊密な共生関係を築くことを発見しました。

Halu:人間は特定の畝を成形するだけ→共生微生物が繁殖し植物の養分を供給⇔植物は共生微生物の養分を供給

これが完全なる無肥料栽培の姿です。

微生物と植物の双方向の養分交換、つまり共生関係があれば、人間が「何か」を投入する必要はありません。どんな野菜でも勝手に大きく育ってくれます。大量に、しかも健康に、しかも美味しく。

「いやいやダマされないゾ。どさくさに紛れて変なことを書くな! 植物がなんで微生物に養分を供給しているのだ。やれやれ、この男は頭がどうかしてる」

と思われるでしょうか。今回はここまでにします。

2014年9月 2日 (火)

特許出願しました

本日(2014年9月2日)、新しい農法を特許出願しました。

これまでの実験や仮説、検証についてまとめたレポート「自然農法ノート」を何人かの方々にお読みいただき、ご意見をうかがって参りましたが、従来の「自然農法」とは根本的に考え方、実践方法が異なることがわかり、思い切って特許取得の道を模索しました。

ブログの更新がしばらく開いてしまったのは、申請書類の作成に多くの時間を費やしていたからです。千葉県発明協会の支援窓口の担当者の方や、弁理士さんの的確なアドバイスをいただき、なんとか申請にこぎつけました。

あと、提出書類がいくつか残っていますが、出願書類の本体は正式に受理されましたので、ブログでもご報告できるようになりました。

ある特定の形をした畝を成形すると、大気中の共生微生物(私は創造型微生物と名付けました)が表土に漂着し、効果的に繁殖するようになります。すると、野菜と緊密な共生関係を結び、人為的に「何も入れず」とも、健康な野菜が育つというものです。

このことは、今年の異常気象にもかかわらず、美味しいスイカが量産できたことで確信を持つことができました。畑を開いて4年目にして、ようやくここまで来ることができました。

考え方や造成方法、具体的な栽培手順などについては、追ってこのブログでご紹介していく予定です。

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